銀河英雄伝説・艦隊副司令官の立場
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田中芳樹氏の小説・「銀河英雄伝説」についてです。
作中に何人か艦隊副司令官が登場しています。
彼らは、艦隊の指揮系統の中で、上位から何番目に
位置するのでしょうか。
普通に考えると、2番目のように思うのですが、司令官が
指揮を執れなくなったときには、参謀長や次席幕僚が
あとを引き継いでいることが多いように感じます。
(艦隊副司令が指揮を引き継いだのは、
ライオネル・モートンくらい??)
また、そもそも、艦隊副司令官はどの艦隊にもいるもの
なのでしょうか。
あまり登場していないようですが。
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小説の中の話を前提にすると、艦隊副司令官は、その名の通り、艦隊の指揮に関しては、第2位になるでしょう。ただし、軍隊には、その他にも階級というのがあります。ですから、艦隊副司令官の人が、階級的にも第2位にあるのであれば問題は生じないでしょうが、同一階級の者が参謀長にいたりすると面倒でしょうね。
例えば、次席幕僚が艦隊司令を引き継いだのは、アスターテ星域会戦のヤンのことだと思います。あのときの、パエッタ指令の台詞からすると「健在な高級士官で最高位にあるのが」といっています。また、その他の高級士官が、怪我などで指揮を執れない状況も描かれています(アニメだとアッテンボローがそう報告します)。ですから、次席幕僚が指揮を執ったのだと思います。
また、ガイエスブルグ要塞が侵攻してきたときには、一時的にヤンが不在でした。この時の司令官代行は、キャゼルヌです。しかも職位は、要塞事務総監です。まったく、艦隊面とは関係ないですよね。(なお、キャゼルヌは、同盟の内乱でヤン艦隊が出動するときには、イゼルローン要塞の司令官代行についたときはありますが、あのときは艦隊が出動しているので、必然性は高いと思います。)でも、ヤンの台詞で「不在の間は、先任の」というのがあります。軍隊などの階級社会では、その地位に先に着いたものを優先するというのがあります。あの時点では、司令官であるヤンが大将ですが、艦隊副司令官フィッシャー、参謀長ムライ、要塞事務総監キャゼルヌ、要塞防御指揮官シェーンコップなども同じ少将の地位にありました。ですから、少将に昇進した順番からすると、キャゼルヌということになるかと思います。
なお、銀英伝では、ヤン艦隊の中核メンバーを外さないための努力があると思います。同盟の内規では、艦隊司令官には中将を充てる、というのがあります。ですから、フィッシャーやムライが中将に昇進してしまうと、ヤン艦隊を離れなければならない、という問題も生じます。まあ、そのあたりの話の問題というのもあるので、艦隊副司令官があまり出てこない、と考えるのがよいのではないでしょうか。
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