銀河英雄伝説は、ドイツ語系の人名が多く、実際に存在する名前が大半だと思いますが、実際には存在しないオリジナルの名前を教えてください。
苗字、名前です。
検索用
ラインハルト ローエングラム オーベルシュタイン ロイエンタール カストロプ ミッターマイヤー
実在しないオリジナルの名前ですと、前の回答者様が挙げているローエングラムは、私も有り得る綴りを全て調べつくしましたが、見つかりませんでした。著者の造語でしょう。私も著者がローエングリーンをちょこっと改造して作った名前だと思います。他には・・・・
●オフレッサー:これも幾ら探しても無い。近い綴りのオプレッター(Obletter)、オフレーター(Offleter)という姓ならドイツ語の姓としては実在します。両方とも、北イタリアのティロル地方に住むドイツ人の姓で、「羊用小型畜舎」を意味する姓です(因みに英ewe「雌羊」と語源上関係がある)。
●ノイエ=シュタウフェン:シュタウフェン(Staufen:「崖」の意)という貴族姓は実在します。これに「新しい」の意のNeueをくっつけて新しく作った名前でしょう。
●ファルストロング:これも幾ら探しても無い。語尾に-ロングという音を持つ姓はドイツ語らしくないです。スウェーデンとか、北欧っぽい姓ですが、あり得る綴りで調べても見つからない。
●バルトバッフェル:これは・・・、こんなヘンテコな姓は有り得ません。バッフェルなどという後半要素を持つドイツ語の固有名詞は聞いた事が有りません。完全に造語だと思います。
●ナイセバッハ:これも幾ら探しても無い。シュレージエンにあったナイスバッハ(Neißbach)という地名の誤用かもしれません。
●ファルケンホルン:完全に造語です。Falkenhorn「鷹角」のつもりだと思われます(確かに有りそうな名前ではあります)。然し、苗字は愚か、地名にすら存在しません。似たファルケンホルスト(Falkenhorst)という名なら姓・地名共にあり。
●ビュコック:アレクサンドルというファーストネームや姓の音形からしてフランス系を想定しているとしか思えないのですが、実在しません。あり得る綴りを全部調べたのですが・・・、無いものは無い!
●キャゼルヌ:これはフランス語のcaserne(キャゼルヌ)「兵舎」を流用したものです。姓としては実在しません(Cazerne等のあり得る綴りも全て調べました)。後方支援担当だからこんな名前を付けたとしたら・・・・、笑えますね。
●スールズカリッター:これは著者本人が造語である事を認めています。何でも夢の中に出てきた人物の名前らしい。この名前の情報は以下のサイトを参照してください。
http://www.tanautsu.net/the-best01_02_09_ab.html (この掲示板ではクブルスリーという姓が見つからないと有りますが、Kubruslyという姓でブラジルに実在します)
間違ったとしか思えない名前
●ハーゼングレーバー:ハーゼングレーバーと読みうる綴りの姓は皆無です。ドイツの作家でハーゼンクレーヴァー(Hasenclever)という姓の人がいます。この姓を誤用したものと思われます。
●マイフォーハー:フォーハーなどという後半要素を持つ名前はドイツ姓ではお目にかかったことが無いです。ドイツの政治家でマイホーファー(Maihofer)という姓の人がいるので、これの誤用でしょう。
姓と勘違いして誤用しているもの
●ディッタースドルフ:オーストリアの作曲家カール・ディッタース・フォン・ディッタースドルフ男爵(Carl Ditters von Dittersdorf)から取った名前でしょう。この作曲家の本名はCarl Dittersで、貴族に列せられた時に彼の姓に因んでvon Dittersdorfという貴族の称号が与えられたのです(-dorfは「村」の意)。Dittersは「ディートリヒ(Dietrich:男名)の息子」を意味する庶民的な名前である為、貴族の箔を付ける為にこの様な細工を凝らしたのだと思われます。
一方、キールマンゼク(Kielmansegg:正しくは「キールマンスエック」と読みます)もオーストリアの貴族の姓に実在しますが、本来はキールマン(Kielmann)という姓のバーデン=ヴュルテンベルク地方出自の家族が、貴族に列せられた時に与えられた称号で、やはりディッタースドルフと同じメカニズムで付けられた名です(Kielmannは「冷たい人」という意味のアダナ由来の庶民的な姓の為、地名によく見られる-egg「隅」をくっ付けた名を添付した)。即ち、元はKielmann von Kielmannseggという長たらしい連名の姓でしたが、子孫が略して姓をキールマンスエックとした事から、姓として実在するようになった経緯があります。
地名をそのまま流用(姓としては実在しない)・・・これは物凄く多い
●リヒテンラーデ、●パトリッケン、●ペクニッツ、●ナウガルト、●ノイケルン、●インゴルシュタット、●プレスブルク、●ドレウェンツ、●マイヤーホーフェン、●リンダーホーフ、●アイゼンエルツ等
地名の流用で、しかも間違っている例
●ベーネミュンデ:ドイツ北東端のウーゼドム島にある地名ペーネミュンデ(Peenemünde)の誤用。Peenemündeは姓としては存在せず。
宣伝になってしまいますが・・・、私のサイトで銀河英雄伝説の人名の語源を詳細に検証しています(まだ始めたばかりですが)。もし良かった覗いてみて下さいね。
http://www.malpicos.sakura.ne.jp/
作者さんが人名辞典やいろんな辞書を参考にしたと語っていましたので、
多少のアレンジ(マリア≒マリー≒マリーカ≒マリナなど)はあっても
「実際には存在しないオリジナルの名前」というものは、殆どないかと思います。
現実世界で聞いたことがないのはローエングラムLohengrammと
カストロプCastropぐらいかな?
銀河英雄伝説はドイツでも放送されたことがあったのですが、
あちらでは「緑(グリューネ)森(ワルト)さん」というような苗字の付け方は、
ユダヤ系ってことになるんだそうで…。
あちらはそういうのに敏感なので「文化の違い」にゞ( ̄∇ ̄;)オイオイ
という感じだったそうです。
日本では普通の苗字の成り立ちですけどね。
あ、もちろん山田さん佐藤さん系の「よくある名前」も使われてます。
ミッターマイヤーなんかがそうです。
ドイツでそういう反応だったのは理由があります。
「ユダヤ人」への命名は、ドイツ風の名前を名乗れと強制されたために
もともとのヘブライ語風の名前が禁止されたのですが、
綺麗な姓(リリエンタール百合の谷、ローゼンタール薔薇の谷)は富裕層に、
単純な名前や(ヴァイス白、シュヴァルツ黒)は中流層に、
職人は職業がそのまま使われて(シュタインメッツ石工、シュミット鍛冶屋)
そして嫌な名前(クラーゲンシュトリヒ絞首台のロープ)は貧しい人たちに…
という悲しい歴史がある国だからです。
一方で名前のほうは古代から伝わる一般的なものばかりです。
ラインハルトのラインReinは「清潔」と言う意味で、hartという語には
「固い・しっかりした」「丈夫な・たくましい」という意味があるので、
男子の名前の語尾によく使われます。
ナイトハルト、レオンハルト、ベルンハルトなどです。
アンネローゼは「恵み深きハンナ≒アンナ≒アンネ」+「薔薇」、
ジークフリートは「勝利と平和」、
オスカー(フランス語でオスカル)は「神と槍」、
ヴォルフガングは「狼の通り道」、
ヒルダは「戦い」、
アレクサンドル・ジークフリートのアレクサンドルは「戦士」、
フェリックスは「幸せ・幸運な」
…などの意味があり、現代のドイツ語圏でもよくある名前です。
キャラクターの性格があわられているような気がします。とくにヒルダ…。
だから組み合わせればオリジナルとも言えるし、
モデルがあるといえばあるし…って感じですね。☆⌒('-^*)v
★ローエングラム★
これはオリジナルかと思います。ローエングリンを変化させたのかな?と。
★オーベルシュタイン→オバーシュタイン【Idar-Oberstein】★
ドイツ西部、ラインラント‐ファルツ州の都市。
ライン川の支流、ナーエ川沿いに位置する。
中世より水晶や瑪瑙(めのう)などを産し、
商業採掘が終わった現在において優れた宝石研磨技術で知られる。
ダイヤモンドをはじめとする宝石の取引所や宝飾デザインの学校がある。
★ロイエンタール Reuenthal★
タールthalは、谷Talの変化だと思います。
ロイエンはReuenは…訳すと懺悔Reue、後悔する・悔やむreuenなので悲しいです。
旗艦トリスタンは「悲しみの子」という意味ですし。(@_@;)涙でちゃう…。
★カストロプCastrop-Rauxel★
カストロプ=ロウクセルという炭鉱がある(あった?)らしいということしか
分からないので、オリジナルといってもいいかもしれません。
マクシミリアンは神聖ローマ皇帝のマクシミリオン1世そのままの名前ですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿