2012年6月9日土曜日

銀河英雄伝説でヤンの父ちゃんが独裁者は本人よりもそれを支持した大衆の方が悪いみ...

銀河英雄伝説でヤンの父ちゃんが独裁者は本人よりもそれを支持した大衆の方が悪いみたいなことを言うシーンがありましたが、
北朝鮮を例にとると悪いのは金一族よりも支持した朝鮮人大衆ですかね?



http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1355961938



北朝鮮のケースは面白い事例だから銀河英雄伝説を知っている方の見解を色々聞きたいです。







あまり夢のない話を書くと、銀英伝の世界観はナポレオンと三国志を足して2で割ったような物です。選挙以外にも民衆蜂起という選択肢がそれなりに現実的な時代であり、アマチュアの大軍でもプロフェッショナルな軍隊をどうにかすることは不可能ではありませんでした。この種の革命に関する素朴な肯定感は左派には普通に見られる発想です。冷戦時代の非武装中立論などもその一種でしょう。



ですが、現実の地球では、民衆革命で事態を本当の意味で変革できる時代は、連発銃が実用化された19世紀半ばぐらいで終わってしまいます。何が起きたかというと、軍隊の殺戮能力が飛躍的に向上しました。ちゃんとした装備を持つ500人規模の軍隊さえいれば数万の民衆を容易に殺戮し尽くせるようになってしまいました。銃の威力がさらに上昇した第二次世界大戦以降なら、この現象はもっと極端になります。ポルポトらはじめとする、それまでの歴史と比較にならないぐらい強力な少数者による大規模な虐殺事件が起きているのはこの効果によります。



昨今のアラブ情勢が示しているのも、結局軍が政権を見放すか、最低でもある程度まとまった軍事力が反政府側に回らない限り、民衆にできることはほとんどないということです。独裁を止めようとすれば、権力掌握までにどうにかするしかありません。

まあ、トルコやタイみたいな変わった国も世の中にはありますから、なんらかの権威が権力と分離した形であれば回避できる、ということかもしれませんが。



もちろん言うまでもなく北朝鮮も銃口から生まれた権力そのものであって、

「北朝鮮を例にとると悪いのは金一族よりも支持した朝鮮人大衆ですかね?」というのは二重三重の勘違いです。








〇東欧・北朝鮮等の共産圏の成立には特殊な成立要件としてソ連の軍隊の存在が大きく影響していました。

◇ソ連軍は占領地に於いて絶大な権力を持ち反対派を逮捕・処刑する事が可能であり、ソ連の支持する傀儡政権に反対する事は不可能な状態でした。

◎銀河英雄伝説の前提条件は民主政体から独裁政権が生まれる過程を説明しているものです。

◇南米のチャベス政権の成立形態が近いでしょうが彼はまだ終生大統領にまでなっていません。大統領選挙を実施しようとしている分まだ民主的ですね。

◇アフリカの国の場合は部族社会ですから国の部族構成により人口の多い部族出身者が大統領になるので選挙制度を維持しています。反対派がクーデター等で政権を掌握すると選挙制度は崩壊します。(公正な選挙をすると確実に負けますからね。)







北朝鮮の政治体制をどうちらえてるかによって変わりますが、マスコミなどで金王朝などと平気で表現されるように実権を持つ国家元首が選挙や議院内閣制などで無く世襲で継承される時点で北朝鮮は今現在「専制君主制」と同じと見なしてもいいと思います。

例えばヒトラーのように民主的に選出された人間が独裁化した場合、民衆にも責任は在るという論理も若干難はあるにしろ成り立ちます。

しかし、北朝鮮は選挙自体行われた形跡すらない。有力者は金氏自身が選んでるようですしそもそも、金日成が民衆の前に初めて姿を現した時罵倒がとんだと言う話で弾圧によって成り立った政権と考えた方がいい地思いますが・・・・。







そもそもはどうであれ、戦後既に70年以上たっているわけですから、体制を変更できないのは朝鮮人自身の責任でしょう。大規模な反政府運動も起きない、軍も自分だけが優遇されていれば現状維持を求める、国外にいる朝鮮人も黙して何もしないとあっては、彼らの言う「愛国心」の程度が知れます。

イランでさえ最悪の宗教政治から脱して20年かけてそれなりの民主政治を構築してきました。それが出来ないのは朝鮮人自身の責任であり、言葉の正確な意味で民度が低いからです。

銀英伝を踏まえるならばむしろ、イゼルローン共和政府、8月の新政府を引用すべきかと思います。結果的にはカイザーに「民主主義の真価を見せる」程度の意味しかなく、バーラト星系を自治領にする程度の産物しかもたらさなかったのですが、血を流したからこそその程度の産物であっても確保できたのです。

70年間、独裁に甘んじている民衆は結局その程度の国民だと言うことです。







横合いから失礼します。



金一族ですが、もともとは別に現在の北朝鮮の民衆の支持を得ていたわけではありません。

日本の敗北と朝鮮の独立に伴い、当初は統一国家を予定していたものの政府のポスト争いやイデオロギー対立でごたついている

うちにソ連からは金日成が、アメリカからは李承晩がそれぞれ送り込まれ、なし崩し的に分裂してしまった、というのが現在に至るまでの南北分断の発端です。



ですので「支持した大衆の方が悪い」というのはこのケースには当てはまれないと思いますね。

当てはまるのはどちらかと言えば、ナチス・ドイツのケースでしょう。



独裁者には当たらないですが、現在の日本の民主党政権も、様々なミスを連発していますが、これも「支持した大衆が悪い」というケースに当たるかと思います。

ぐだぐだな現状を鑑みるに自由惑星同盟が思い浮かびますが。

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